「2030年の世界地図帳」のまとめ【⑥アフリカの貧困地域のために何ができるのか】

【本の要約】
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はじめに

「2030年の世界地図帳」を読むと、SDGsのことだけではなく、過去・現在・未来の推移が見えてきます。
より良い未来・より良い日本をつくるためにも、本書が役に立つのではないでしょうか!

【2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望】
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それでは、今回はP190の「アフリカの貧困地域のために何ができるのか」をまとめていきたいと思います。

アフリカの貧困地域のために何ができるのか

アフリカの現状

日本人にとって、「アフリカの問題=貧しい国が多い」という認識しかもっていないことが多いです。

冷戦中は、アンゴラ内戦では、アメリカの支援を受けたアンゴラ民族解放戦線(FNLA)と、ソ連の支援を受けたアンゴラ解放人民運動(MPLA)が戦っていました。

※アンゴラ内戦:旧ポルトガル領であるアンゴラは1975年に独立した。しかしソ連の支持するアンゴラ解放人民運動(MPLA)とアメリカ、、南アフリカが支援するアンゴラ全面独立民族同盟(UNITA)が全面的な内戦に突入。この代理戦争は第二次世界大戦後独立を宣言していくアフリカの各国で行われアフリカの国際社会への参加を遅らせていく事になる。

冷戦が終わった後、ソ連は支援する力を失い、アメリカも関心を失いました。
そこで、日本がアフリカの支援を始めました。
1993年、第1回「アフリカ開発会議」(TICAD:Tokyo International Conference on African Developmen)が東京で開かれました。
その後、中国が真似をして、より大規模な「中国・アフリカ協力フォーラム」(FOCAC:Forum on China–Africa Cooperation)を北京で行うようになりました。

さらに、アフリカは、Mペサを使って、全部スマホで電子決済するなど、日本よりも進んでいることがあります。
インフラをドローンなどで整備するプランも上がったりしていて、巨大なマーケットの誕生、大規模な消費大国になり、イノベーションが起こる場所としてホットになっています。

利潤を得ながら投資を行なう「ベース・オブ・ピラミッド」

「ベース・オブ・ピラミッド」(BOP)とは、ピラミッドの底辺に当たる貧困層に普及する商品を開発し、企業として利潤を得ながら社会を変えていこうとする発想です。

アフリカの国々では、石鹸や化粧品が袋詰めやボトル入りでは高くて買えないため、1回分の小さいパッケージで安い値段で購入できるようになっています。
1回分を販売するため、売り上げは微々たるものですが、アフリカのように人口が多いと結構な額になります。
また、アフリカが豊かになった時に、貧しかった時のブランドはずっと覚えているので、先行投資にもなります。

また、日本企業のサラヤという石鹸メーカーは、インドなどで「外から帰ったら手を洗いましょう」という一大キャンペーンをして、ブランドをすり込んでいます。
このような習慣づけや、コーポレートメッセージやブランディングが個人のふるまいを変えることもあり、大切な意味を持ちます。

「We Are The World」では世界は良くならなかった

「ライヴエイド」(LIVE AID)や「We Are The World」のようなチャリティでは、難民問題の直接的な解決にはつながりませんでした。

ライヴエイド(LIVE AID):「1億人の飢餓を救う」というスローガンの下、「アフリカ難民救済」を目的として、1985年7月13日に行われた、20世紀最大のチャリティーコンサート。
We Are The World:アフリカの飢餓と貧困層を解消する目的で作られたキャンペーンソングである。作詞・作曲はマイケル・ジャクソンとライオネル・リッチーが共作で行い、プロデュースはクインシー・ジョーンズが担当した。

アフリカの問題はお金があれば解決する問題ではありませんでした。
日本はそのことをわかっていて、海外に援助をする際には、非常に低金利ではあるけれど、返してもらうことが前提の「有償援助」という形式で行ってきました。
日本がこのやり方を行う理由は、敗戦後の日本も世界銀行からお金を借り、返金のプレッシャーのもとで復興に励み、結果として行動経済成長を迎えることができたとこが挙げられます。
このような理由から、返金義務を負わせた方が責任感をもって取り組んだり、無駄遣いがなくなるという思想を持っています。

「日本はお金がないのに、なぜODA(Official Development Assistance:政府開発援助)で援助するのか?」という質問もありますが、昔の日本は援助によって救われた歴史があります。
敗戦後、本当に餓死者がでる状況になった時、ガリオア・エロア資金やユニセフ資金による学校給食で命をつないだ時期があります。
だから、日本には困っている国を助ける責任があります。

その構造は、大企業がスタートアップに投資する構造と似ていて、大企業がスタートアップに投資するのは、大企業自身もかつては投資に助けられたし、スタートアップを支援することで、スタートアップから恩恵が得られることが挙げられます。

先進国から見ると、アフリカなどの開発途上であること自体がひとつの価値で、そこに長期的な投資を回すことは、戦略的に大きな意味を持ってきます。
ただし、短期で結果を得られるような投資ではなく、数十年、100年単位のスパンで考える必要があるかもしれません。

まとめ

新しいインフラの構築、巨大なマーケットの誕生、大規模な消費大国など、イノベーションが起こる可能性が高く、アフリカは可能性に満ちた国々と言えるでしょう。

アフリカの問題は単にお金があれば解決するものではなく、援助という形で、各国が復興に励む必要があります。
また、アフリカに援助をすることで、長期間にはなるものの、援助した側にも恩恵が返ってきます。

日本の援助が、いつか実を結ぶことを願いつつ

次回は、「環境について」を記事にしようと思います!

【2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望】
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