「2030年の世界地図帳」のまとめ【③経済発展について】

【本の要約】

はじめに

本の要約をしていますが、「2030年の世界地図帳」を読みながら、内容が難しくて理解するのが一苦労でした。
なので、「2030年の世界地図帳」を理解しやすいように、お役に立てればと思い、気になったことを書いてみます。

【2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望】
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それでは、今回はP109の「持続可能な経済発展は、そもそも可能か」をまとめていきたいと思います。

持続可能な経済発展は、そもそも可能か

問題は「アフリカの貧困」よりも「先進国の格差拡大」

下記の図は「エレファントカーブ」と言われているもので、2012年に経済学者のブランコ・ミラノヴィッチ氏が示しました。

図の意味としては、グローバル中間層(中国・インドなど)と先進国の富裕層の所得が上昇する一方で、先進国の中間層の所得はほとんど増えないという現状を示しています。

最貧困層は、最新のテクノロジーが普及することで、貧困から抜け出す兆しがあります。
グローバル中間層は、経済発展が一気に進み、個人の所得が大幅に増加しました。
先進国の富裕層は、上昇しています。
しかし、先進国の中間層は、所得がほとんど増えていません。

そのため、新興国の貧困よりも、先進国における富裕層と中間層の格差が問題になっています。

産業革命以来の流れが逆転している

ポイントは、「大分岐(グレート・ダイバージェンス)」と「大収斂(グレート・コンバージェンス)」の2つです。

産業革命期から1990年代前半は、「大分岐(グレート・ダイバージェンス)」。
「大分岐(グレート・ダイバージェンス)」とは、アジアとヨーロッパで巨大な格差が生まれたことです。
先進国が高い技術力で自国で商品をつくり、発展途上国に商品を売ることで、経済発展をとげました。
そのため、売る側の先進国と買う側の発展途上国で、巨大な格差が生まれました。
1990年代以降は、「大収斂(グレート・コンバージェンス)」。
「大収斂(グレート・コンバージェンス)」とは、アジアとヨーロッパでの格差がなくなることです。
情報通信技術が発展したため、アイディアやノウハウの移動コストが劇的に下がり、先進国の企業は、新興国に生産工場をつくるようになりました。
その結果、生産拠点となった中国やインドといった新興国が躍進し、アジアとヨーロッパの格差がなくなってきています。

リモート・インテリジェンスで中抜きされる層は?

情報通信技術が発展することで、企業が多国籍化し、製造工程は新興国の安い労働力で、研究開発やデザインなどは先進国の高スキルな人材が担うようになりました。
そうすると、先進国で製造工程を担っていた中間層は、新興国に仕事を奪われるようになります。
これが先進国の中間層が没落した大きな要因です。

今後も、情報通信技術が発達し、リモートワークが普及してきます。
リモートワークが可能になると、現地にいて発言しない人よりも、スカイプでの参加でも意見を表明する人がプロジェクトに貢献していると言えます。
また、自動翻訳なども発展しているため、言語の障壁も緩和されつつあります。

そうなると、人件費が安い海外から、遠隔で手伝ってくれるケースが増えていく可能性があります。

「物差し」としてのお金が、格差を広げる

お金は、本来は「消費」や「投資」のために存在していますが、他者との比較のための物差しに使われてしまっています。
たとえば、「同業他社のCEOが100億円もらっているから、2倍のパフォーマンスを発揮している自分は200億円欲しい」と他者との比較のためにお金が使われています。

もし、100億円あれば、アフリカの人々を救ったり、スタートアップのプロジェクトを走らせたりできますが、再投資されずに死蔵されてしまっています。
再投資されずに死蔵されている富がたくさんあると、お金を実経済に還流されないので、問題が生じます。

死蔵しているお金を実経済に還流するには、2つの方法があります。
国が税金として取り上げて再分配を行うか、社会に必要なインフラ投資に使う直接的なアプローチ。
企業や経営者の目的意識を変え、社会貢献や環境保全に熱心な企業を評価する間接的なアプローチ。(SDGsやESG投資が該当します)

ESG投資は、「正直者がばかをみない」経済の仕組みになるか?

ヨーロッパやアメリカでは伝統的に寄付文化が根付いているので、エシカル消費やESG投資にお金を回すことが社会的にリスペクトされます。

ESG投資は、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス=企業統治)の3つの観点から企業の将来性や持続性などを分析・評価した上で投資する手法です。
エシカル消費は、倫理的消費のことで、地域の活性化や雇用なども含む、人や社会・環境に配慮した消費行動のことです。

企業に対して、ESGがプレッシャーとして機能すると、持続可能性を顧みない企業は市場競争に敗れていきます。

敗れるパターンは2通り。
消費者に嫌われて、企業のサービスや商品が売れない場合。
投資家に嫌われて、事業を続けようとしても出資が集まらない場合。
ESG投資は、すくなくとも投資家の規範を変えるきっかけになりつつあります。

SDGsの発想は日本に根付くか

日本では、消費者の意識を変える方が比較的簡単と思われます。
2020年度からレジ袋有料化が始まり、消費者のエコ意識はかなり高まる可能性があります。

一方、投資家や企業では、大きな変化を嫌っているように感じられ、徹頭徹尾変わらない可能性があります。
もし、投資家や企業が何らかのアクションを起こすためには、リーダーシップと理念が必要になってきます。

経済とSDGsが両立する産業

経済とSDGsを両立させるためには、補助金などの国のサポートが重要になってきます。

太陽電池はSDGsと相性の良い産業ですが、現在は中国企業の独壇場になっています。
中国はSDGsと相性の良い産業に投資しました。

日本は2000年代初頭までは太陽光パネルや蓄電池で世界のトップランナーでしたが、持続的な投資で育て続けることができずほとんど手放してしまいました。

環境問題も食糧問題も、人口が減れば自然に解決する

現在の日本のような人口が減少していく局面では、環境負荷は必然的に減っていく可能性が高いです。
今後、人口が大きく伸びるのはアフリカくらいで、中国も早晩にピークアウトし、インドもどこかで止まります。
出生率は下がっているため、地球全体でも2100年ごろには人口はほぼ横ばいになります。
そのときの人口を支えられるエネルギーと食料の問題さえ片付いてしまえば、持続性の問題はクリアできる可能性が高いです。

不平等な資本主義社会と、平等なゲームの世界

資本主義や市場経済では、あまりにもお金のパワーが強すぎて、いったん十分な富を蓄えた人はほとんど転落しなくなっています。
現実世界では、人脈やお金などの前提条件が大きく成功を左右しています。

一方、ゲームではルール上で平等でツールも参加回数も一定に保たれるフェアなものになっています。
そのようなゲームでの平等の実現方法を、現実に表現していくことが求められていく可能性があります。

まとめ

中国やインドなどの所得が上がり、安価な労働力を提供することで、先進国の中間層の所得が増加せず、先進国での所得格差が深刻となってきています。

また、先進国の富裕層では、お金が死蔵されており、実経済にお金が還流されず、所得格差に拍車をかけています。

消費者や投資家は、SGDsを軸にESG投資のような環境・社会・ガバナンスのような観点で企業を評価することが求められますね。

世界人口の増加が止まった時に、エネルギーと食料問題を解決できるように目指すべきで、現実世界でもゲームのような平等な世界を実現できるようなルールの開発が求められています。

この記事がみなさんの参考になれば、幸いです!

次回は、「貧困について」を記事にしようと思います!

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