「2030年の世界地図帳」のまとめ【⑦環境について】

【本の要約】

はじめに

「2030年の世界地図帳」を読むと、SDGsのことだけではなく、過去・現在・未来の推移が見えてきます。
より良い未来・より良い日本をつくるためにも、本書が役に立つのではないでしょうか!

【2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望】
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それでは、今回はP211の「環境」をまとめていきたいと思います。

環境について

今のままの生活を続けるなら、地球は1.7個必要かもしれない

SDGsには環境保護に関連する目標がいくつもあります。

  • 目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに
  • 目標13:気候変動に具体的な対策を
  • 目標14:海の豊かさを守ろう
  • 目標15:陸の豊かさも守ろう

1990年代、環境問題は「先進国の消費生活が発展途上国の豊かな自然を破壊する」と議論されてきました。
先進国の享受する豊かな生活は、発展途上国で行われる森林伐採や工場の産業排水の犠牲の上に成り立っているという考え方です。

しかし、近年では、発展期に入った途上国による自然破壊が深刻になっています。
そのため、現在の環境問題は、人類全体で環境問題の課題にどう向き合うかが求められています。

ここでは水資源を例に環境問題を考えます。
日本は水資源が豊富ですが、「フットプリント」の発想に基づけば、日本は水が豊富どころか、水を海外から輸入している国と位置付けられます。

「フットプリント」とは、商品の生産過程で消費あるいは汚染された水の量を可視化したものです。
経済活動の中で見えなくなった水消費の足跡(フットプリント)を可視化することで、水資源がどこでどのぐらい使われているかを正確に把握しようという試みです。
例えば、農産物や畜産物を生産するときに使われる多くの水であったり、一般家庭の生活用水、汚染水を一定の水質に戻すための水も含まれます。

水資源を考える場合でも、干ばつや水不足という現象面だけを見ても環境問題の本質を理解することは困難です。
さまざまな物流や活動のネットワークが複雑に入り組んだ世界では、影響のつながりの全体性を捕捉しないと本質を捉えにくくなります。

そうした観点から生まれた「フットプリント」は、国境を越えて人間の活動が及ぼしている影響全体を可視化した概念です。

地球環境は人間に地下資源・森林・海洋資源などさまざまな資源を提供しています。
こういった人間の生活を支えるために必要な資源を、土地の面積として算出したのがエコロジカル・フットプリントです。

食料生産のために必要な耕作地・牧草地、加熱処理や暖房・冷房に使用する燃料、紙や道具の原材料となる森林、排出した二酸化炭素の吸収のための緑地、廃棄物の浄化に必要な土地などのように、人間のあらゆる活動に必要な土地面積を逆算すると、先進国の多くは自国の国土面積を上回る計算になります。
日本の場合、いまの生活を維持するのに必要な土地の広さは、日本の国土の7.1倍が必要になり、世界全体の人々の生活を支えるには、地球が1.7個分必要と言われています。
つまり、すでに地球が吸収・浄化できる能力を超えてしまっています。
そのため、各国が環境問題について共有しながら責任を持つ仕組みが必要になっています。

私たちは今までの人類が吸ったことがないCO2濃度の空気を吸っている

地球温暖化の直接的な原因は、二酸化炭素の増加とされています。
18世紀後半、ヨーロッパで石炭を動力源にした蒸気機関による産業革命が興りました。
20世紀になると、石油の利用も始まり、石油がエネルギーに変換されるときに二酸化炭素を発生させます。
そのため、世界の二酸化炭素排出量は、1850年ごろから増え始め、1950円台以降は急激に増加しました。

1880年~2012年で世界の平均気温は0.85度、工業化以前より1.0度上昇したといわれています。
1970年代から、地球温代価が問題視され、1988年以降、地球温暖化の原因は温室効果ガスの影響であることが確実視されてきました。

100年後の地球についての4つのシナリオと国際協調

IPCCは、100年後の地球について4つのシナリオを提示しました。

■IPCCとは:国連気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)の略で、人為起源による気候変化、影響、適応及び緩和方策に関し、科学的、技術的、社会経済学的な見地から包括的な評価を行うことを目的として、1988 年に国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)により設立された組織です。

そのうち最も気温上昇の大きいシナリオでは、世界の平均気温は3.7度の上昇、海面上昇と地域的な食糧危機の発生、多くの種の絶滅が予想されています。
日本でも、熱帯性の伝染病が蔓延し、果樹の生産地域が変わるなど生態系が大きく変わり、現在の自然や文化を維持するのは不可能になると考えられています。

このままに参加酸素を排出すると、100年後の地球はまったく違う環境になってしまうため、地球温暖化対策は世界各国が優先的に強調して取り組む課題となりました。

IPCCが最新の知見を評価・公表し、気候変動対策に対する科学的なエビデンスを提供し、その議論がCOP(気候変動枠組み条約締約会議)で行われています。
当初は、拘束力がなく、温室効果ガスの排出量の上限を決めただけでした。
しかし、1997年、京都議定書が決められ、方定期拘束力のある条約として、二酸化炭素排出量を1990年より5%削減を義務として定められました。
ただ、当時世界最大の二酸化炭素排出国だったアメリカが京都議定書への不参加を表明したり、国の削減目標を実現可能性を顧みずほぼ横並びとしたり、中国やインドが参加しないなど、不満の声が高まっていきました。
ここから、先進国と新興国の間で、炭素排出量を巡る駆け引きが始まります。

2009年、第15回のCOP(COP15)にて、先進国と新興国を包括した条約を採択予定でしたが、リーマンショック直後で経済的負担を加味して、利害の対立によって議論は前進しませんでした。

2010年、第16回のCOP(COP16)にて、先進国と新興国の共通の枠組みとしてカンクン合意が採択されました。

■カンクン合意とは:2013年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組み。
京都議定書を離脱した米国、温室効果ガスの削減義務を負わない中国やインドなどの新興国にも排出削減を求めている。
あくまで自主的達成を促す努力目標に過ぎず、法的拘束力をもっていない。

2015年、第21回のCOP(COP21)にて、パリ協定が採択されました。
世界196か国が法的拘束力のもと合意した条約で、アメリカと中国も合意しました。
パリ協定で合意された目標は下記の2つで、この2つの目標について、5年ごとにその達成状況を報告する制度になっています。

  • 産業革命以前を基準に、平均気温の上昇を2度以下(できれば1.5度)に抑える
  • 今世紀後半に温室効果ガスの排出を実質ゼロにする(ただし森林などによる吸収量とのバランスをとる)

ただ、このパリ協定は、あくまで気温上昇が少ないシナリオを目指すもので、パリ協定通りになったとしても温暖化による生態系や自然環境の影響は少なからず発生します。

まとめ

地球温暖化が叫ばれて久しいですが、国際協力を行いつつ、徐々に条約などの形が作られてきています。
ただ、アメリカはトランプ政権でパリ協定から脱退しようとしていて、どうなるのか不透明ですね。

環境問題は、人類の今後を左右していくため、より良い未来のために全世界で取り組むべき問題です。

次回は、「アメリカと中国がカギを握る環境保護政策」を記事にしようと思います!

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