この記事は、青山学院幼稚園・東洋英和幼稚園・枝光会附属幼稚園を2🌸の経験者が書きましたので、お役に立てると思います。
この記事を読めば、立教小学校の説明会の内容がわかります。
男子育児の役に立ちますし、キリスト教を学ぶ目的がわかります。
幼稚園受験でも、キリスト教教育をする幼稚園はありますので、キリスト教教育の本質を知っておくと役に立ちます!
この記事がおすすめな人
・立教小学校に興味のある人
・男児育児を学びたい人
・キリスト教教育の本質を知りたい人
この記事を読んで、男児育児やキリスト教教育をしっかり準備しましょう!
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立教小学校について
立教小学校は、日本に3つしかない男子校の小学校です。
キリスト教教育を行い、小学校から大学まで一貫した教育を通して、一人ひとりの個性を大切にする学校です。
田代正行校長先生からのお話
立教小学校の特徴をお話してくださいました。
児童が毎日書いている日記を通して、立教小学校を説明してくださっていて、とても興味深い内容になっています。
立教小学校の歴史と理念
本校はキリスト教の学校で、第2次世界大戦終戦の3年後である1948年に設立されました。物のない混沌とした時代にキリスト教の小学校を設立するにあたって、どれだけ苦労があったかを思うと、先達の情熱と努力にただただ頭が下がる思いです。
当時の立教大学校長佐々木順三は、「立教学院の教育は小学校を設けることで地に根を下ろした木のごとく育つ」と語っています。今年の春で77年目を迎えました。立教学院の創立者ウィリアムズ主教は、立教をキリスト教に基づく真の人間教育を行う場と位置づけ、一貫して一人ひとりの人間の尊厳を大切にし、他者の痛みに共感できる者を育てることを見学の精神の根幹としてきました。
立教小学校の特色
立教小学校は男子校で、日本では私立の小学校で男子校は3校のみです。
男子校ならではの特徴として、言葉が汚い、うるさい、単純、喧嘩が日常茶飯事という一面もありますが、個性が光る子供たちが多く、私は彼らが大好きです。
男の子のDNAには狩猟時代の記憶がすり込まれているようで、教室に虫が入ってくると、虫を目で追っている子がたくさんいるような学校です。獲物を集団で追い詰めていた名残で、集団になると舞い上がるものがでることもあり、電車やバスで注意を受けることもあります。
反面、集団の中で認められることによって、人一倍力を発揮するような子、仲間のために命がけでがんばるような子もでてくる学校です。
私立では教員は同じ環境に長くいるため、井の中の蛙になりがちですが、本校にはキリスト教のチャプレン(牧師)がおり、外部からフレッシュな目で点検・助言をしていただけるシステムが整っています。
チャプレンは教員の精神的な支えでもあります。
本校では365日、休みの日や雨の日も含め、毎日日記を書く習慣があります。子供たちの日記を通して、学校生活の様子をご紹介いたします。
日記から見る立教小学校の日常
以下は日記の一例です。
2月14日:小学1年生の日記
「今日はバレンタインデーでした。ママと会社のKさんからチョコレートをもらいました。去年は幼稚園の女の子に17個ももらったけど、今年は少なかったなぁ」
この日記に対する担任のコメントが「それが立教小学校です」
とても印象的なコメントです。
4月26日:小学6年生の日記
「僕は1年生サポートに行ける日には、1年生のペアの子N君のランドセルを棚に入れたり、制服を掛けるのを手伝ったりしている。ある日、1年生のお世話をしていると、隣の席の子のお母さんが『うちの子の面倒もみていただくことはできますか?』と言われて、もちろんですと言った。その子の面倒を見ると、その子は元気でパワフルで、N君とは違う可愛さもあったけど、結構大変だった。その日は飛び切り大変だった」
1年生のペアの子N君をサポートする様子が描かれています。お世話を通じて異学年の交流が深まることがわかります。
意図的に異学年の交流を縦割り教育をしている学校です。
5月30日:「嬉しい恥ずかしプレイデー」
新聞委員会が発行する「学び新聞」に掲載された記事です。
「立教女学院小学校を会場とする第774回合同プレイデーが行われた。開会式で田代校長先生からプレイデーで出会い結婚したカップルもいると挨拶があり、立教生の士気が上がった。全学年フォークダンスや5人6脚など立教女子学院小学校と協力する競技が実施され、紅潮した児童も見られ、紅白対抗リレーは白熱した。1年C組のRA君は『女の子に会えて、うれしかった。ダンスが楽しかった』と笑顔で話した」
立教女学院小学校との合同プレイデーでの様子や、そこからロマンスが生まれる可能性が秘められていることが述べられています。
教育方針と保護者の皆様へのお願い
学校は心地よいサービスを提供する機関ではなく、社会性の訓練の場です。子供たちは学校の主人公であっても、主人ではありません。保護者の皆様と我々がしっかりとタッグを組むことで成り立つ学校です。
子供の自己肯定感を高めるために常に肯定して育てるのは勘違いです。他者の痛みに共感できる者になるためには、まず他人に迷惑をかけないようにする必要があります。
立教小学校では、神様から与えていただいた一人ひとりの個性を大切にするのは当然のことだと考えております。
ただ、子供たちのありのままの価値を認めるということは、子供たちが何をしても良いということではありません。
勉強をしないのも個性、好き勝手するのも個性、伸び伸びさせればよいというのは、まったくの勘違いです。
訓練を受けていない身勝手な行動は、個性ではなく野生です。
個性とは子供が生きていくために神様から与えていただいた能力のことです。
個性を大切にしつつも、ルールを守り、必要な知識を身につけ、社会的な訓練を受けた行動を育てることを目指しています。
田代正行校長先生のまとめ
最後に、6年生の日記を読みます。
4月17日:
「今とても反省していることがあります。それは昨日返された算数のテストのこと。僕は76点でした。合格点の80点まで、あと4点。間違えた問題の中には、3と5分の4と書くところを、3を書かずに5分の4としてしまい、4点マイナスになっているところがありました。正直、僕はせめて合格点を取らなくてはと悔しかったです。そして、5分の4の所に3を書いて、先生に見せて、『これあってます』と。先生はバツを消し丸をつけて、76点にバツをして80点と書きました。つまり嘘の80点になったということです。そして、その嘘の80点のまま家に帰りました。80点になり合格点に届いたから、うれしいけれど、このままで本当にいいのか、嘘の点数にしておいていいのか、という気持ちでいっぱいでした。そして、今日、先生に呼び出されました。先生の初めの一言は『何か言うことがあるのでは?』。ギクッとしましたが、『いいえ』と答えました。もう2回同じことを質問されて、同じような答えをしました。4回目もほぼ同じことでした。そして、5回目にこう言われました『テストのことで言いたいことがある?』。さすがに悩みました。あるorない、どう言えばいいのか。でも、自分の失敗を正直には言えませんでした。そして、家に帰るまで、いろいろな人をだましてしまいました。家でお母さんに正直に言ったら『76点を取るより、もっと悪いこと』と言われました。でも、その通りだと思います。そして、明日、朝一番に誤りに行こうと思います。先生ごめんなさい、信じてくれたお母さんごめんなさい。この悪いことをした時の嫌な気持ちを忘れないようにします。」
算数のテストでごまかした失敗を反省し、次に向けて頑張ろうとする姿勢が描かれています。人間は完璧ではなく、失敗することもありますが、そのたびに反省し、成長することが重要です。
本校に興味を持っていただけましたら、ぜひ2回目、3回目の学校説明会にご参加いただき、立教小学校について理解を深めていただければ幸いです。
下原太介チャプレンのお話
立教小学校のキリスト教教育について、お話してくださいました。
キリスト教教育の目的は、聖書を通して、イエス・キリストのようにふるまえること、おごり高ぶることなく、謙虚に生きることであると、教えてくださっています。
立教学院の歴史
立教学院は約150年前、ウィリアムズ主教が宣教師として、日本にキリスト教を広めるために設立されました。
当初は、子供たちに聖書と英語を教えることが目的でした。
ウィリアムズ主教の目標は、日本にクリスチャンを増やし、その中から将来の聖職者を育てることでした。
しかし、長い年月が経ち、現在の立教小学校は、クリスチャンを増やすことや聖職者を育てることを目的としていません。
それでは、一教小学校が行うキリスト教教育の目的は何でしょうか。
キリスト教教育の本質
保護者の中には、キリスト教の学校といえば、学校生活の中でお祈りしたり、聖歌を歌ったり、公立学校の道徳のように聖書を学ぶようなイメージを持たれている方も多いと思います。
確かに、毎日お祈りし、聖歌を歌い、6年間聖書の勉強を行いますが、それ自体が目的ではありません。
キリスト教教育の本質は、祈りや賛美歌を通じて神に感謝し、聖書を学ぶことを通して、イエス・キリストを学ぶことです。
イエス・キリストを学ぶ
イエス・キリストを学ぶということは、彼の行動や教えを真似ることです。
イエス・キリストが示した愛と優しさ、信仰と慰めを持って、人々に接することが大切です。
6年間聖書を学んだ子供たちがイエス・キリストをマネして生きられるように、「こんな時、イエス・キリストならどんな言葉をこの人にかけるだろうか」「イエス・キリストなら、こんな時、どんな行動をこの人にとるだろうか」、そのように考えながら、実際に体現できる人になってほしいと思っています。
チャプレンの葛藤と役割
立教小校から小さなイエス・キリストたちを育てる、その大きな覚悟を持って私は子供たちの前に立っています。
いい加減なことを子供たちの前で祈ることはできませんし、語ることもできません。
日々葛藤し、悩み、「こんな自分でいいのか」と思うこともあります。
そのように、他の教職員も日々葛藤し、自分自身と向き合っています。
教職員も完璧な人間ではありませんし、まだまだ成長しなければいけない人間です。
その意味では、教職員や児童という垣根を越えて、同じ人間です。
そのように不完全な人間ですが、神の力を借りて子供たちの前に立ち、祈りを捧げています。
私の心と口を動かしてくださるのは、私自身ではなく、私を道具として用いてくださっている神様の力によるものです。
自分の能力や才能ではなく、神様によって生かされているのです。
キリスト教では、これを謙遜な生き方と呼びます。
謙遜であることの重要性
神様によって生かされているから、決して傲慢な人間にならず、おごり高ぶることもありません。
しかし、立教小学校で学んだ豊かな知識や才能を、自分の知識、自分の才能と思ったときに、まるで自分が神様のようになってしまいます。
そして、誰かを見下したり、自分が優れていると勘違いしてしまいます。
そんな時、立教小学校で学んだキリスト教教育の本質さえ忘れなければ、どんなに豊かな知識や才能があっても、おごり高ぶることはなく、謙遜な人間として人々から愛される人へと成長することができます。
下原太介チャプレンのまとめ
立教小学校で6年間学んだ子供たちが、イエス・キリストのように生きられるようになることを願っています。
教職員と共に、神様に見守られながら、子供たちの成長を支えていきたいと思います。
天野秀彦教頭先生のお話
天野秀彦教頭先生が、下記の3点について詳しく教えてくださいました。
・新校舎について
・今後の予定について
・入学試験について
特に、入学試験までに育ててほしいことは、幼児期に意識すべき大切なことが盛り込まれていると思います。
新校舎について
新校舎に関する情報は、ホームページに掲載しておりますので、ご覧ください。新しい情報が公開できる段階になりましたら、随時ホームページにて公開いたしますので、そちらの方も確認をよろしくお願いします。
移転先での新しい生活が始まり、1か月半が経ち、子どもたちと共に教職員も一緒にワクワクドキドキしながら、どのように楽しい学校生活を送れるか日々考えています。
6月6日のオープンスクールでは、新しい生活の一部をご覧いただける予定です。
今後の予定
6月6日木曜日にはオープンスクールを開催します。
授業を2つ公開し、その後個別相談を受け付けます。
第2回学校説明会は6月29日土曜日、第3回は9月7日土曜日に予定しています。詳細はホームページでご確認ください。
第77回運動会は、立教新座中学校・高等学校のグラウンドをお借りして、10月13日日曜日に予定しています。
志願者の皆様にもお越しいただけるよう準備を進めています。
入学試験について
入学試験に関して大きな変更はありません。
校舎が変わりましたので、今までと同じようにできるかシミュレーションしているとことです。
募集人員は120名で男子のみ、3学級編成で、変更ございません。
入試の日程も例年通りで、2024年11月1日金曜日と2日土曜日に行います。
昨年度と同じ流れで、1日目は絵本の読み聞かせと個別の質問、授業形式でのやり取り、2日目は数形や論理的な思考を試すテストと運動テストを行います。
1日目は、大きな部屋で30名程度のお子さんを集めて、プロジェクターで絵本を映し出しながら、生の声で教員が読み聞かせをします。
読み聞かせを聞いた後は、2人ずつ3人ずつなどで個別の部屋で、個別に読み聞かせの内容について、質問したりやり取りしたりします。
当日は、教員は首からタイマーを下げていた李、試験用紙・問題用紙を持って、ペンでメモをしたりするので、堅苦しい雰囲気があると思います。
受験なさるお子さんには、「緊張はするかもしれないけど、普段通りで楽しんでらっしゃい」とお声がけください。
個別の試験が終わった後は、別の会場で、授業形式でいろいろなやりとりを楽しんでいただく試験の流れでございます。
2日目は、数や形、理論的に順番に考える力を個別で見させていただきます。
それぞれの教室に入って、手先を使ったり、よく考えて、最初はわからないかもしれないけれど、先生の質問を授業を受けるように聞いていると、そのうちわかるような問題を用意しました。
そして、個別の問題を楽しんだ後に、身体を動かす運動のテストあります。
リズムに合わせて動いたり、走ったり、時には少し歌も歌ったり。
これが昨年度の流れでございました。
ご家庭での準備
入学試験に向けて、誰かに任せるのではなく、ご家庭で育てていただきたいと思っております。
ご家庭で育てていただきたいことを列挙しました。
・生活習慣、社会性のお手本
・あいさつ、礼儀
・決まりやルールを守る
・時間を守る
・整理整頓
・食事
・美しいものを大切に
・芸術、音楽、自然体験
・困っている誰かのために
・今、ここに共にあることをよろこぶ
・命を大切に、感謝する
・言葉は何のために使うか
ご家庭での準備として、生活習慣や社会性を大人の姿で示すことが大切です。
挨拶や礼儀、時間を守ることなどをしっかりと教えてください。
入学試験のためのお勉強を詰め込む以上に、こういうところを大事にしてください。
また、美しいものに触れる機会を増やすことも重要です。
芸術や音楽、自然体験などで美しいものに接し、人間が創り出し美しいもの、世界の名作と言われる絵本にも出会っていただきたいです。
そんな願いを込めて、立教小学校では絵本を使った試験にしております。
ノンペーパーで対策がしにくい所もございますが、かたくなに守り続けて、大切にしていることでもございます。
また、「何ができるから、あなたは素敵」ということではなく、「今、ここに一緒にいられる、それが本当に喜びだよ」ということを伝えてあげてください。
そのような絶対的な安心感をもって育ったお子さんは本当に粘り強く相手の言葉を聞いたり、他者に対する信頼感が育っていますので、命を大切にして、今あるということに感謝していただけたらと思います。
そして、言葉というのは、簡単に人を傷つけます。
けれども、正しい言葉の使い方というのは、親子の対話を通して、しっかりと伝えてほしいと願っております。
男の子というものは、「たんじゅん、ざっぱく、やんちゃで、けんか、こぜりあい、日常茶飯事」
ですけれど、だからこそ、「頼んで感謝する」
頼んで感謝すると、男の子が本来持っている優しさを発揮してくれると思います。
また「野生ではない個性を大人が見せる」
個性は大切ですが、わがままは通らないということも大人が見せてあげてください。
入学試験では、できないことに目が行きやすいです。
そんな時は「まだ、できない」と「まだ」という言葉を最初につけてください。
そうすると、絶対にいつかできるようになるぞという成長のマインドセットをお子さんにも伝えてください。
最初は誰もできないが、だんだんできるようになれば良いという、温かい見守りの雰囲気がご家庭にいつまでもありますようにと願ってやみません。
天野秀彦教頭先生のまとめ
準備期間が、ご家庭の絆をますます強くしてくださり、素敵な思い出に満ち溢れますようにとお祈りしております。
まとめ
キリスト教教育のお話は、幼稚園受験でもとても参考になります。
また、男子育児にとても参考になる話や、幼児期に意識すべきことを、詳しく説明してくださっています。
時折見返しながら、日々の育児を振り返りたいものです。
この記事がお役に立てたら、嬉しいです!
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