「2030年の世界地図帳」のまとめ【⑧アメリカと中国がカギを握る環境保護政策】

【本の要約】
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はじめに

「2030年の世界地図帳」を読むと、SDGsのことだけではなく、過去・現在・未来の推移が見えてきます。
より良い未来・より良い日本をつくるためにも、本書が役に立つのではないでしょうか!

【2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望】
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それでは、今回はP227の「アメリカと中国がカギを握る環境保護政策」をまとめていきたいと思います。

アメリカと中国がカギを握る環境保護政策

太陽光でアジアにエネルギー経済圏構築を目論む中国

2019年、中国は二酸化炭素の排出量が世界1位でした。
2000年代の中国は、急激な経済成長に伴う大気汚染や水質汚染などの環境問題に関心を示しておりませんでした。

しかし、2010年代になると、大気状態のモニタリングなど急速に環境問題に取り組んでいきます。
2020年までに科学燃料以外の割合を15%前後、2030年までには20%前後にする取り組みをして、太陽光発電には5年間で約17兆円の投資を行ないました。

国家のバックアップのもと、中国は太陽光パネル生産量で世界1位となり、ユーラシア大陸を横断した送電設備を進めています。
太陽光発電で、ユーラシア大陸にまたがる巨大な経済圏を構築する計画を進めています。

アメリカは、なぜパリ協定から脱退しようとしているのか

アメリカは、京都議定書やパリ協定などを通して、環境問題に取り組んできました。
パリ協定では、2005年比で26-28%温室効果ガスを削除する目標を掲げていました。

しかし、2017年、トランプ政権にて、パリ協定からの離脱を表明しました。
パリ協定の取り決めにより、パリ協定から正式に離脱できるのは2020年以降になるため、トランプ政権の2期目に左右されます。

「原油産出国」としてのアメリカの威信/規制ではなくイノベーションで環境問題を解決する

1859年、アメリカにて、歴史上はじめて油田から石油が発掘されました。(諸説あります)
第二次世界大戦後、中東で巨大油田の発見が相次ぎますが、7つの石油のメジャー会社のうち5社をアメリカは保有し、石油産業の支配者として、世界に君臨します。

2000年代中ごろ、シェール層に点在する天然ガス(シェールガス)の収集に成功しました。
シェールガスは、いままで採取不可能でしたが、技術の向上により採取可能になりました。
石油は限られた地域にしかありませんが、シェールガスは広域な地域に広がっていて、数百年分のエネルギーがあると言われています。
また、シェールガスは、化石燃料の中で最も二酸化炭素の排出量が少ないという特徴もあります。

アメリカは、シェールガスの採取技術に強みを持っているので、シュールガスを活用することで環境問題を解決しようとしています。
つまり、石油などのエネルギーを規制する方法ではなく、イノベーションによってシェールガスの使用可能にし、環境問題を解決しようとしています。

限界費用ゼロ化による持続可能な社会の到来

20世紀以降、アメリカは絶え間ないイノベーションの連続によって世界の新しい産業の発展を生み出してきました。

ヨーロッパを代表する文明批評家のジェレミー・リフキンは、
「イノベーション」⇒「限界費用ゼロ社会」⇒「所有概念の希薄化」⇒「エネルギー削減」⇒「共有・共感の社会へ」
のように、推移していくと予測しています。

まず、「限界費用ゼロ社会」についてです。
「限界費用」とは、生産量を最小の1単位だけ増加したときの総費用の増加分です。
例えば、パン工場でパン1つを追加生産する代金が「限界費用」です。
デジタルの世界では、データを無限にコピーできるため、「限界費用」はほぼゼロになります。

「限界費用ゼロ」の社会では、無料で提供されるソフトやサービスの費用をさらに下げるために、コンピュータやデータセンタの電力コストの削減に向かうからです。

いままではレコードやCDを個人で所有していましたが、「限界費用ゼロ」の社会ではネットフリックスなどでサブスクリプション型のコンテンツサービスを利用する人が増えています。
つまり、所有から共有に流れています。
また、共有型経済が主流になると、共有をスムーズに推進するために、他者への共感の考えが発展していくと予測されています。

資本主義経済による「所有」の多寡を競う社会から、人とのシェアという共有型経済における「共感」の広がりを重視する社会に向かっていると考えられます。

まとめ

中国は自然エネルギーの活用に向かい、アメリカはイノベーションで環境問題に立ち向かっています。
また、デジタルテクノロジーの発展によって、共感を求められる社会になっていくのかもしれません。

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