この記事を読めば、『マーケティング』を語れます
- 商品・サービスがなかなか売れない営業担当
- 起業・副業で伸び悩んでいる方
- マーケティングの基礎・入門を学びたい人
あなたの商品は売れてますか?
「なかなか商品が売れない・・・」
「ブログが読まれない・・・」
「マーケティング、何それおいしいの?」
あなたの悩みは、お客さんにベネフィットが届いていないことからきています。
お客さんはベネフィットがなければ、あなたの商品を買わないし、あなたのブログも読みません。
逆に、お客さんにとって、価値のある商品なら買ってくれますし、価値のあるブログなら読んでくれます。
お客さんにベネフィットを届けることこそが、マーケティングです。
『ドリルを売るには穴を売れ』は、長年売れ続けているベストセラーのマーケティングの本です。
ストーリーを通して、マーケティングの基礎が、非常にわかりやすく解説されています。
ストーリー自体はご都合主義な部分もあるかなと思いましたが、筆者の実体験をもとに作成されているため、非常に納得感があり、マーケティングの説明もわかりやすかったです。
この本を読めば、あなたもお客さんから選んでいただけるようになります。
- 【ベネフィットについて】 あなたは何を売っているのか?
- 【セグメント・ターゲットについて】 誰があなたの商品を買ってくれるのか?(この記事)
- 【差別化について】 あなたの商品でなければならない理由を作る
- 【4Pについて】 どのようにして価値を届けるか?
+『ドリルを売るには穴を売れ』のNOVOの感想
この記事では、『【セグメント・ターゲットについて】 誰があなたの商品を買ってくれるのか?』を解説しています。
【セグメント・ターゲットについて】 誰があなたの商品を買ってくれるのか?
分けてから狙う・狙うために分ける
『【ベネフィットについて】 あなたは何を売っているのか?』ではベネフィットを説明しましたが、「常に正確な時刻が表示される」「電池交換の手間が不要」のような機能的な価値を求める人には、例えばソーラー電波時計のような時計がおすすめになります。
逆に、「スーツに合う」「美しいデザイン」を求める人は、見た目重視の時計がおすすめになります。
機能的な価値を求める人や見た目重視の人がいるため、顧客を分けて対応する必要があります。
顧客を分けること = セグメンテーション
売ろうと狙いをつけた顧客 = ターゲット
分けることが目的ではなく、人によって求めるベネフィットが違うために分けます。
世の中の人間の求めるものがすべて同じであれば、分ける必要ないですが、そんなことはないですね。
欲求は人によって異なる
セグメンテーションをするのは、人によってどの欲求を重視するかが異なるためです。
「見栄を張らずに実質本位で生きたい」という人は、あまり社会欲求には興味がないだろうし、「昇進して人から認められたい」という人は、社会欲求が重要になります。
どのような欲求があるかは、善し悪しではなく、人によって欲求が異なるということです。
場面によっても重視する欲求が異なることがあります。
夕食のお店を選ぶとき、気心の知れた友人とは「見かけよりも味の良いお店」を選ぶだろうし、意識している異性とは「連れて行っても恥ずかしくないお店」を選ぶかもしれません。
求める価値・欲求は、人や場面によって異なるため、分けて対応する必要があります。
人の欲望は千差万別ですね。
【セグメンテーション】顧客の分け方
セグメンテーションの方法を3つ紹介します。
- 人口統計的なセグメンテーション
- 心理的なセグメンテーション
- ベネフィットで分けるセグメンテーション
どこでどう切るか、選ぶかというのが戦略であり、腕の見せ所でもあります。
それでは、3つのセグメンテーションをそれぞれ確認していきましょう。
人口統計的なセグメンテーション
代表的なのは、性・年齢・居住地域などの人口統計的な基準で個別顧客を分類する人口統計的なセグメンテーションです。
例えば、20代女性などのように分けます。
人口統計的なセグメンテーションのメリットは、モレやダブリのない理論的なセグメンテーションであることです。
分類基準が明確で、一番単純で、一番使われているセグメンテーションです。
人口統計的なセグメンテーションのデメリットは、属性の違う人が同じ扱いを受けることがあることです。
例えば、20代女性で分けた場合、20歳の女子大生と、25歳の独身勤労女性、29際の専業主婦がまったく同じ扱いを受けることがあります。
属性の違う人が同じセグメントにいると、「顧客を分ける」というもともとの目的に答えられなくなってしまいます。
しかし、あまり細かく分けてしまうと、複雑になりすぎてしまいます。
だれもが一度は見たことがあるセグメンテーションではないでしょうか?
心理的なセグメンテーション
心理や行動、ライフスタイルの違いなどをベースにした、心理的なセグメンテーションがあります。
心理的なセグメンテーションのひとつに、商品の普及過程を基準にしたセグメンテーションがあります。
- 革新者—一番最初に見つけて使い始める人
- 初期採用者—一般に広く普及する前に使い始める人
- 前期マジョリティ—普及し始めるころに使い始める人
- 後期マジョリティ—ほぼ普及したのを確認してから使い始める人
- 遅滞者—一番遅れて使い始める人・使わない人
インターネットの普及過程を例にとって分類すると下記のようになります。
革新者
80年代後半から90年代前半にパソコンを使い始めた人。
初期採用者
Windows3.1の普及に伴って使い始めた人で、インターネットということばが一般に使われ出したころ、素早く波に乗った人です。
前期マジョリティ
Windows95の爆発的ブームが起き、インターネトへの接続も比較的に容易になった90年代後半から使い始めた人。
後期マジョリティ
2000年ごろ、ネットバブルのピーク以降に使い始めた人。
遅滞者
2004年に電子メールを使い始めた人や現在も使用していない人。
iPhoneの新機種の初売りに並ぶ人は、革新者ですかね。
ベネフィットで分けるセグメンテーション
ベネフィットに応じた顧客を、それぞれ分けるセグメンテーションが、ベネフィットで分けるセグメンテーションです。
セグメンテーションをするもともとの目的は、「人によってベネフィットが違うから」というものであるので、ベネフィットで分けるセグメンテーションが最も適していると言えます。
時計を例に出すと、下記のようになります。
「そこそこ正確で低価格」層
ほどほどに正確で、低価格でほしい人。
時計に対して執着・愛着はそれほどない。
「正確で手間いらず」層
できるだけ正確な時刻を知りたいが、「時間を合わせる」「電池を交換する」などの手間は嫌う人。
正確であれば、ある程度高価でも良い。
「デザイン重視」層
見た目が最重要で、デザイン重視で選ぶ人。
仕事とプライベートで分けたり、正確さがやや犠牲になる手巻きでも良い。
「ブランド重視」層
高級ブランド時計をしていることを他人にわかってほしい人。
ブランドに「自分がどう見られたいか」を投影させる。
心理的なセグメンテーションやベネフィットで分けるセグメンテーションは、分類しにくい問題があります。
統計的なセグメンテーションのような明確な基準がなく、対象者への質問の仕方にも工夫が必要になります。
いろいろな分け方がありますが、メリット・デメリットがありますね。
ふたつのセグメンテーションをつなげる
理想的なセグメンテーションは、人口統計的なセグメンテーションと心理的なセグメンテーションの両方をうまく活用することです。
性別・年齢から、心理的・行動的な指標を見いだせることも多いからです。
下記の例は、当たりまえといえば、当たりまえですが、性別や年齢はある程度まで心理や行動と相関関係があります。
◎20代の男女は独身率・有職率が高い
⇒可処分所得も多く、アクティブに行動する
◎40代・50代は家庭や子どもを持っている
⇒子どもへの投資が多い
◎60代以降は定年している
⇒可処分時間が多い
ある性別や年齢層に共通するような心理・行動がわかれば、うまく人口統計的セグメンテーションと心理的セグメンテーションをつなげて解析することができます。
セグメンテーションは一長一短あるため、組み合わせて使うことが大切ですね。
【ターゲット】顧客を狙う
顧客のセグメンテーションができたら、次はどこのセグメントを狙うかを決めます。
ターゲットを絞る理由は、単純に絞らなければ売れないからです。
例えば、30代男性は、万人向けの雑誌と30代男性向けの雑誌のどちらを買うと思いますか?
普通は、30代男性向けの雑誌を購入します。
結局、万人向けに書かれた本は、万人向けであるがゆえに誰にも売れないということになります。
そのため、セグメントを狙う必要がありますが、狙うセグメントの決め方は、3つのポイントがあります。
- 市場規模
- 競合・自社
- 必要
それでは、3つのポイントをそれぞれ確認していきましょう。
市場が十分に大きい
ターゲットとなるセグメントが市場として十分に大きいことが重要です。
極端な話、顧客が3人ではビジネスは成り立ちません。
小売店でも、商圏を徒歩地域とするか、車での来店を検討するかで、駐車場の有無などが変わってくるため、市場規模を設定することが重要です。
また、こだわりのマニア向けの商品を売る場合、あまりにもマニアックすぎて、顧客を絞りすぎるとだれも買ってくれなくなります。
そして、 ビジネスですので、お金を持っていて、お金を支払う気のある顧客を狙う必要があります。
ある程度、市場規模がないとビジネスとして成り立ちませんよね。
競合の激しさ・自社の強み
セグメント狙う競争が激しいかも重要なポイントとなります。
例えば、「20代女性」というセグメントは、ファッション・食品・レストランなど、激しい競争があります。
競合が強くとも、自社の製品・サービスが競争を勝ち抜けるのであれば、問題ありません。
ただ、競合が少ないセグメントでも、競合に劣っている場合は、買ってもらえません。
そのため、狙ったセグメントで自社の強みが生きるかどうかが、重要な基準となります。
あなたが技術開発力に優れているならば、技術開発に大きな価値を感じる顧客を狙い、あなたが顧客サービスにすぐれているなら、顧客サービスに価値を認める顧客を狙う必要があります。
自社の強みが生きるセグメントを狙いたいですね。
価値の必要度の高さ
あなたの製品・サービスを売るためには、製品・サービスが提供する「顧客にとっての価値」を切実に必要としている人の方が売りやすくなります。
例えば、「家事代行サービス」を売るとして、その主なベネフィットは「時間節約」なので、「時間節約」を求めているセグメントをターゲットとするのが望ましいです。
「時間節約」を求めているのは、専業主婦の家庭よりも、子どものいる共働きの家庭ですので、切実なニーズのある子どものいる共働きの家庭を狙った方が売りやすくなります。
ただ、ニーズの高いセグメントは競合も狙ってくるため、競争が激しくなります。
必要としていない人には、売れないですよね・・・
ターゲットの心理を具体化する
ターゲットを絞ったことにより、性・年齢の人口統計的セグメントを決めることだけではなく、ライフスタイルなどの心理的セグメントを具体化することができます。
例えば、「50代女性」と人口統計的に絞ったとして、そこからさらにイメージを膨らませる必要があります。
「50代女性」は、
◎どんな顔をしているのか? 髪の色は? お化粧は? 表情は?
◎どんな格好をしているのか? 洋服か和服か? 体型は?
◎どんな毎日を送っているのか? 旅行三昧? キャリアウーマン? お茶・舞踊?
などなどと、イメージすることが大切です。
極端な話、同じ「50代女性」でも、下記2人の求める価値は異なります。
◎外資系会社の幹部で、夫と二人暮らし。毎日12時間労働
◎専業主婦で夫と高校生の子どもが2人いる。家事とお稽古事で忙しい
マーケティングとは、人口統計など数字で分析できる左脳的な情報と、人間の心理や行動などの右脳的な情報を組み合わせて、顧客に一歩一歩近づいていくという、知的かつ泥臭い仕事です。
ターゲットの心理をイメージして、顧客のベネフィットを考えるのがマーケティングですね。
【セグメント・ターゲット】まとめ
セグメントとターゲットについて、解説してきました。
人口統計的なセグメンテーションと心理的なセグメンテーションを組み合わせて、顧客のベネフィットを提供することがマーケティングですね。
ターゲットを決めることで、自社の強みや競合がはっきりし、進むべき道が見えてきそうです。
ターゲットをどれだけイメージできるか、どれだけターゲットのベネフィットを具体化できるかで、マーケティングが変わってきますね。
次回は、『【差別化について】 あなたの商品でなければならない理由を作る』について、解説していきます。
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