【ワクチン・治験】お薬の安全性について【新型コロナウイルス】

【おくすり相談】
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はじめに

どうも、薬剤師のNOVO(ノボ)です。
今回は、ホットな話題の新型コロナウイルスのワクチンについて、お話ししたいと思います。

「ノルウェーでコロナワクチンを接種した高齢者23人が死亡したというのだ」というニュースがありました・・・

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また、アメリカでは「189万人の中の21人がアナフィラキシーを起こしたという」ニュースもありました。

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お薬には副作用がつきものですが、このようなニュースを聞くと、ちょっとワクチンを受けるのに躊躇してしまいますよね・・・

今回、新型コロナウイルスのワクチンとほかのワクチンの副作用を比較してみようと思います。


インフルエンザワクチン

まず、コロナウイルスとよく比較されているインフルエンザのワクチンの情報をまとめてみました。

ワクチンの副作用状況

参照:https://www.mhlw.go.jp/www1/kinkyu/iyaku_j/iyaku_j/anzenseijyouhou/294-2.pdf

2011年-2012年のデータなので、古い情報ですが、細かく情報が載っていましたので、こちらを参考にしました。

推定接種者数(回分)50,325,537
副反応報告数637
うち重篤報告数179
うち死亡報告数8
副反応報告数(%)0.001266
うち重篤報告数(%)0.000356
うち死亡報告数(%)0.000016

ウイルスの死亡率

参照:https://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/home/hp-infect/file/ictmon/ictmon162.pdf

季節性インフルエンザの死亡率(%):平均0.1%


ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン

一時期、ワクチンの副作用で騒がれていたヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンについて、まとめました。

ワクチンの副作用状況

参照:https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/qa_shikyukeigan_vaccine.html

重篤な副作用

アナフィラキシーの頻度約96万接種に1回
ギラン・バレー症候群約430万接種に1回
急性散在性脳脊髄炎(ADEM)約430万接種に1回
複合性局所疼痛症候群(CRPS)約860万接種に1回

アナフィラキシーの頻度約100万接種に1.042回
ギラン・バレー症候群約100万接種に0.233回
急性散在性脳脊髄炎(ADEM)約100万接種に0.233回
複合性局所疼痛症候群(CRPS)約100万接種に0.116回
重篤な副作用(上記の合計)約100万接種に1.623回


重篤な副作用(%):0.000162%

ウイルスの死亡率

HPVの死亡率について
「子宮頸がん全体の50~70%の原因とされる2種類のヒトパピローマウイルス」
「90%以上の場合、2年以内にウイルスは自然に排出されるとされています。」

「国内では、毎年約1万人の女性が子宮頸がんにかかり、約3000人が死亡しており、また2000年以後、患者数も死亡率も増加しています。」
参照:http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=10#:~:text=%E5%9B%BD%E5%86%85%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%80%81%E6%AF%8E%E5%B9%B4%E7%B4%841,%E3%82%82%E5%A2%97%E5%8A%A0%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

上記の情報より、HPVに感染した100人の患者のうち、10人は子宮頸がんになる可能性が高い。
その10人のうち、HPV由来は5-7人。
つまり、HPVに感染した5-7%が子宮頸がんになってしまう。

子宮頸がんにかかると、約3000人/約1万人×100(%)=約30%が死亡してしまう。
これより、HPVに感染した方は、5-7%×約30%=1.5-2.1%の割合で死に至る危険性があることがわかります。

つまり、HPVの死亡率:1.5-2.1%


コロナウイルスワクチン

コロナウイルスのワクチンは、情報が少なく、ニュースから情報を得ているので、信頼性が低くなってしまいますが、それをご了承の上、ご確認ください。

ワクチンの副作用状況

ファイザーのワクチン「そのうち昨年12月末に接種した189万人の中の21人がアナフィラキシーを起こしたという。100万人あたり11.1人の計算になり、インフルエンザワクチンの1.3人の8.5倍に相当する。」
参照:https://news.yahoo.co.jp/articles/83f69ddf9712dc97b58f2d8ffff15203df0e1bf8
⇒重篤な副作用:0.00111%

ファイザーのワクチン「去年12月23日までにアメリカで1回目の接種を受けたおよそ190万人のうち21人でアナフィラキシーの症状があったということです。」
参照:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210127/k10012835941000.html
⇒重篤な副作用:0.00111%

モデルナのワクチン:「1回目の接種を受けた400万人以上のうち、アナフィラキシーと呼ばれる激しいアレルギー反応が出たのはわずか10人だったという。」
参照:https://www.jiji.com/jc/article?k=20210125041087a&g=afp
⇒重篤な副作用:0.00025%

ファイザーのワクチン:「このワクチンは2回接種が推奨されているが、1回目の接種を受けた人のデータによると、アナフィラキシー反応を示した人の割合は平均すると9万人に1人程度にとどまっていることがわかった。」
参照:https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/21/010800012/
⇒重篤な副作用:0.00111%

以上から、新型コロナウイルスのワクチンでの、重篤な副作用の発生率は、0.00025-0.00111%と考えられます。

ウイルスの死亡率

新型コロナウイルスの致死率について(1月27日 23:59 時点)
参照:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data-all/

新型コロナウイルスの死亡率:1.43%


ワクチンとウイルスのまとめ

ワクチンの重篤な副作用(%)ウイルスの死亡率(%)
インフルエンザ0.0003556%平均0.1%
ヒトパピローマウイルス(HPV)0.0001623%1.5-2.1%
コロナウイルス0.00025-0.00111%1.43%

コロナウイルスの情報のみでは、副作用が怖いように感じますが、死亡率やほかのワクチンと比較すると、副作用の発生率がとりわけ高いわけではないことがわかりました。
※ただ、ワクチン接種が増えるにつれて、深刻な副作用が増えることも考えられますので、慎重に検討する必要がありますが・・・




まとめ

今回は、ワクチンとウイルスを比較検討してみました。
ワクチン接種した後、アナフィラキシーがごくまれに発生しますが、おおむね4時間以内に発症するので、ワクチン接種後は慎重に行動することが求められますね。


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