【薬剤師が教える】アトピー性皮膚炎で良く出る処方箋【ロコイド・アンテベート・ヒルドイド・アレグラ】【ステロイド】

【おくすり相談】
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はじめに

どうも薬剤師のNOVO(ノボ)です。
今回は、アトピー性皮膚炎の薬について説明しようと思います。

「肌がかゆくて集中できない・・・」
「良くなっては、また悪くなっての繰り返し・・・」
「なんでこんな肌になってしまったのだろう・・・」

アトピー性皮膚炎は、QOL(Quality of Life)に強く影響を与えてしまいます。

そんなアトピー性皮膚炎も、しっかり治療すれば良くなってきます。
今回は、アトピー性皮膚炎について、塗り薬を中心に、お薬を説明しようと思います。

この記事でわかること

この記事でわかること

  • アトピー性皮膚炎のお薬の基本がわかる
  • アトピー性皮膚炎のお薬のQ&Aがわかる
  • アトピー性皮膚炎のお薬の特徴がわかる

処方内容

Rp1
 ロコイド軟膏0.1%
          1日3回 顔
Rp2
 アンテベート軟膏0.05%
          1日3回 体幹四肢
Rp3
 ヒルドイドソフト軟膏0.3%
          1日3回 体幹四肢
Rp4
 ヒルドイドローション0.3%
          1日3回 顔
Rp5
 アレグラ錠60mg  2錠
          朝夕食後 30日分

一般的なお薬の説明

薬剤師
薬剤師

かゆみが出ていて、受診されましたかね?

患者さん
患者さん

そうなんです。ちょっとアトピーがひどくて・・・

薬剤師
薬剤師

お辛いですね。
今回、塗り薬が3種類、飲み薬が1種類出てます。

薬剤師
薬剤師

まず、塗り薬を説明します。
ロコイドは、弱めのステロイドで、顔に塗ってください。
アンテベートは、強めのステロイドで、体に塗ってください。
ステロイドの強さで塗る場所が異なりますので、注意してください。

薬剤師
薬剤師

ヒルドイドは、保湿剤で、ソフト軟膏は体に塗ってください。
ローションは、顔に塗るようにしてください。

患者さん
患者さん

塗るときに気を付けることなどありますか?

薬剤師
薬剤師

ヒルドイドを塗ってから、ステロイドを塗るようにしてください。
ステロイドを塗るときは、すり込まず、さっと伸ばすように塗ってください。

患者さん
患者さん

ヒルドイド ⇒ ステロイドの順番なんですね。

薬剤師
薬剤師

そうなんです。
アレグラは、かゆみや炎症を抑えるお薬で、1日2回飲んでください。
人によっては眠気が強く出ることもありますので、車の運転など注意してください。
眠気が強い場合は、お医者さんに相談するようにしてください。

以上が基本的なお薬の説明になりますね。

今回のポイントは、
ステロイドの塗り薬はステロイドの強さで塗る場所が違う
保湿剤 ⇒ ステロイドの順番で塗る
アレグラは眠気に注意


よくある質問

質問1:塗り薬を塗りなおしても良いの?

患者さん
患者さん

家事などをして、塗り薬がとれてしまったら、改めて塗っても良いでしょうか?

薬剤師
薬剤師

塗り薬がとれてしまったら、塗りなおしてもらっても構いませんが、ステロイドの塗り薬を過剰に使うのは良くないので、できればビニール手袋などをして、塗り薬がとれないようにしてください。

質問2:塗り薬の量

患者さん
患者さん

塗り薬って、どれぐらいの量を塗ればよいのでしょうか?

薬剤師
薬剤師

軟膏は、人差さし指の先端から第一関節までの長さの量が、手2枚分が塗る目安です。
ローションは、1円玉ぐらいの大きさの量で手2枚分が塗る目安です。

質問3:症状が良くなったら、塗らなくても良いでしょうか?

患者さん
患者さん

症状が良くなったら、塗らなくても良いでしょうか?

薬剤師
薬剤師

アトピー性皮膚炎は、良くなったり、悪くなったりを繰り返しやすいので、いちど良くなったとしても、しばらくは続けるようにしてください。

質問4:塗り薬の期限はどのくらいでしょうか?

患者さん
患者さん

塗り薬の期限はどのくらいでしょうか?

薬剤師
薬剤師

未開封でしたら、塗り薬の端に書いてある期限まで使えます。
いちど開封した薬は、衛生面を考えて、1-2か月が使用期限です。

質問5:ステロイドって、怖くないの?

患者さん
患者さん

ステロイドって、怖くないですか?
副作用とかいろいろあると、聞いたことがあるんだけど・・・

薬剤師
薬剤師

ステロイドの飲み薬は、高血圧や高血糖など、さまざまな副作用を起こすリスクはありますが、塗り薬では、そのような副作用はほとんど出ません。
ステロイドの塗り薬では、皮膚が薄くなったり、皮膚が白くなったり、毛が濃くなることがあります。
副作用が出ているかなと思ったら、お医者さんにご相談ください。

質問6:飲み忘れた場合はどうすればよいでしょうか?

患者さん
患者さん

飲み薬を飲み忘れたら、どうしたらよいでしょうか?

薬剤師
薬剤師

アレグラを飲み忘れたら、そのとき飲んでいただいて、次の服用を6時間程度開けるようにしてください。

質問7:かゆみがひどいときは、たくさん飲んでも良いの?

患者さん
患者さん

かゆみがひどいときは、たくさん飲んでも良いの?

薬剤師
薬剤師

原則、お医者さんのご指示通り1日2回で1回1錠で服用するようにしてください。
ただ、症状によっては、1日2回で1回2錠の倍飲む人もいますので、かゆみがひどいときが多い場合は、お医者さんに相談すると量を増やしたり、お薬を変えてもらえたりしますよ。

注意点と似たようなお薬

※似たお薬は、よく出るお薬を記載していて、全種類を網羅しているわけではありません。

ステロイドの注意点

ステロイドの強さで塗る場所が変わる
すり込まずに、さっと伸ばすように塗ってください。
症状が良くなっても、継続して塗る

ステロイドのほかのお薬

ステロイドの塗り薬は、強さが5段階にわかれています。
アンテベートは2番目の強さで、ロコイドは4番目の強さのステロイドです。

▼デルモベート軟膏0.05%
1番強いステロイドです。
顔に塗ることはなく、体や足に塗ることが多いです。
▼マイザー軟膏0.05%
アンテベートと同じく2番目に強いステロイドです。
基本、顔に塗ることはなく、体や足に塗ることが多いです。
▼リンデロン−V軟膏0.12%
3番目に強いステロイドです。
身体や手足に使うことが多いですが、症状によっては顔に使うこともあります。
▼キンダベート軟膏0.05%
ロコイドと同じく4番目に強いステロイドです。
弱めのステロイドですので、顔に塗ったりできます。
赤ちゃんにも使われます。
▼プレドニゾロンクリーム0.5%
5番目に強いステロイド(つまり、一番弱いステロイド)です。
陰部などに処方されることもありますが、処方される機会は少ないです。

ヒルドイドの注意点

保湿剤で全身どこでも使ってOK
ヒルドイドローションは、乳液の代わりにもなるぐらいの万能性

ヒルドイドと似たお薬

▼ビーソフテンローション0.3%
ビーソフテンローションは、化粧水の代わりにもなります。
ヒルドイドローションと同じ有効成分ですが、入っている基材の違いで、よりさらさらとした使用感です。

アレグラの注意点

眠気が出ることもあるので注意
症状に合わせて量を増減することあり
基本は、1日2回/1回1錠のお薬

アレグラと似たお薬

▼アレロックOD錠5
基本は、1日2回/1回1錠のお薬
眠気に注意
▼アレジオン錠20
基本は、1日1回/1回1錠のお薬
眠気に注意
▼クラリチン錠10mg
基本は、1日1回/1回1錠のお薬
アレグラ・アレロック・アレジオンよりは、眠気が出にくいお薬です。

おわりに

アトピー性皮膚炎のお薬について記事にしてみました。
アトピー性皮膚炎は、ちょっと良くなってもお薬を続けることが大切です。

塗り薬や飲み薬を使って、アトピー性皮膚炎とうまく付き合うようにしてください。

ほかのお薬について知りたい場合やお薬を安くもらいたい場合は、下記のサイトマップからほかの記事もご覧ください!

当ブログでは一般的な方を想定としてお薬の説明となっております。
特定の合併症・既往歴がある場合、妊婦・授乳婦の場合、その旨を担当の医師もしくは薬剤師に伝えてください。
万が一、お薬を服用して体調が悪くなった場合は、担当の医師もしくは薬剤師に相談してください。

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