はじめに
みなさん!処方箋のお薬をもらって、「え!塗り薬1つでこんなにお金がかかるの!?」って、驚いたことはありませんか?
私自身も、薬剤師になる前は、なんでこんなにお金がかかるのか、よくわかりませんでした・・・
薬局から渡される明細書を見ても、よくわからないし・・・
調剤薬局のお会計では、お薬そのものの値段以外に、いろいろな付加価値などで料金が加算されています。
この記事では、患者さんの要望があれば、取れなくなる加算を紹介したいと思います。
※お薬を安くもらうための別記事もありますので、要チェック!
服薬管理指導料
処方箋受付1回ごとにとれる加算です。
服薬管理指導料を取らないようにすると、120-170円(保険料3割の場合)安くなります。
服薬管理指導料の算定要件(加算を付けるための条件)は、以下の通りです。
これを簡単に言い直すと、「お薬の使用目的や飲み合わせを確認して、患者にお薬の説明をして、それを記録していく」ということです。
ちなみに、「くすりの福太郎」が過去に記録(薬剤服用歴)を残さずに、加算を取っていたため、問題になりました。
https://www.sankei.com/affairs/news/150211/afr1502110016-n1.html
薬剤服用歴管理指導料を払うことで、お薬の飲み合わせなどを確認してくれ、飲み合わせも確認してくれますが、いつも服用しているお薬などで飲み合わせの確認やお薬の説明が不明な場合は、加算を取らないようにお願いしたら、安くお薬をもらうことができます。
例えば、毎年飲んでいる花粉症の薬をもらった時などです。
逆に、薬剤服用歴管理指導料を払った方が良いのは、新しい薬をもらった時(お薬のことがわかっていない)、複数の病院に通っている時(飲み合わせの確認が必要)などです。
余談ですが、調剤薬局でそもそも薬剤服用歴管理指導料を取っていない調剤薬局もありました。
※お薬の説明や飲み合わせは、しっかり確認してくれました。
https://www.cosmospc.co.jp/
重複投薬・相互作用等防止加算
重複投薬・相互作用等防止加算は、算定要件を満たしたときに、とれる加算です。
※通常であれば、算定されない加算です。
重複投薬・相互作用等防止加算の算定要件(加算を付けるための条件)は、以下の通りです。
1.併用薬との重複投薬(薬理作用が類似する場合を含む。)
2.併用薬、飲食物等との相互作用
3.そのほか薬学的観点から必要と認める事項
4.残薬調整
重複投薬・相互作用等防止加算を算定する項目で、1-3は健康被害が出る可能性が高いので、必要に応じて算定されるべきだと思います。
ただ、「4.残薬調整」(お薬が余っているので、お薬の数を減らしてもらった)をした場合、90円(保険料3割の場合)高くなります。
残薬調整は、病院に受診したときに、お薬を調整するようにお医者さんに伝えたら、調整してくれます。
なので、わざわざ調剤薬局で残薬調整をすると、お薬代金が高くなるので、調剤薬局ではなく病院受診したときに伝えたほうが、お安くできます。
※処方内容によっては、お薬の量を減らしたのに、お薬代が高くなることも、まれにあります。
そのため、残薬調整による重複投薬・相互作用等防止加算は、あまりお勧めしません。
かかりつけ薬剤師指導料
2016年から始まった比較的新しい加算内容です。
患者が希望した場合、かかりつけ薬剤師指導料を算定出来ます。
かかりつけ薬剤師指導料は、1回で約220円(保険料3割の場合)高くなります。
かかりつけ薬剤師指導料の算定要件は、下記(一部抜粋)です。
2.患者が受診している全ての保険医療機関、服用薬等の情報を把握
3.担当患者から24時間相談に応じる体制をとり、患者に開局時間外の連絡先を伝え、勤務表を交付(やむを得ない場合は当該薬局の別の薬剤師でも可)
4.調剤後も患者の服薬状況、指導等の内容を処方医に情報提供し、必要に応じて処方提案
5.必要に応じて患家を訪問して服用薬の整理等を実施
上記の内容を必要としている方は、お願いした方が良いですが、該当する人はあまりいないと思いますので、基本かかりつけ薬剤師は希望しなくて良いと思っております。
時間外等加算(時間外・休日・深夜)と夜間・休日等加算
時間外等加算(時間外・休日・深夜)と夜間・休日等加算は、特定の時間や特定の日に薬局に処方箋を持っていくと、お薬代が高くなります。
算定要件は、それぞれ下記のとおりです。
・保険薬局が開局時間以外の時間(深夜(午後10時から午前6時までをいう。)及び休日を除く。)において調剤を行った場合は、所定点数の100分の100に相当する点数を加算する。
・時間外加算は調剤基本料を含めた調剤技術料の100分の100、休日加算は100分の140、深夜加算は100分の200であり、これらの加算は重複して算定できない。(一部抜粋)
午後7時(土曜日にあっては午後1時)から午前8時までの間(深夜及び休日を除く。)、休日又は深夜であって、当該保険薬局が表示する開局時間内の時間において調剤を行った場合は、夜間・休日等加算として、処方箋受付1回につき40点を所定点数に加算する。(一部抜粋)
上記は、薬局の営業時間内か営業時間外かの違いで、算定される項目が変わります。
上記を簡単にまとめると、「薬局の営業時間内でも、午後7時(土曜日にあっては午後1時)から午前8時までの時間と休日に薬局に処方箋を持っていくと、お薬が高くなるよ」ということです。
※薬局の営業時間外にお薬をもらえることはほとんどないので、営業時間内に限ると、1回で120円(保険料3割の場合)高くなります。
まとめ
薬局のお会計は、お薬の値段以外に、薬剤師の確認や説明に対する料金も発生しているので、思ったよりもお会計が高くなったりします。
なので、算定要件などを把握しておくと、安くお薬をゲットすることもできます!
特に、処方箋を持っていく時間帯で、料金が変わることなど、知らない方も多かったのではないでしょうか?
この記事が参考になると、幸いです!
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